ファイバーリサイクルネットワーク
堀川君子さん
欲しい物は何でも手に入り、物があふれている昨今。ある調査によれば、各家庭に眠っている古着や古布などの古繊維はタンス3個分にもなるそうだ。最近はフリーマーケットやバザーでリサイクルする人も多くなったが、それでも大量生産、大量廃棄により、行き場のない繊維が焼却されているというのが実情のようだ。
10年前、横浜に誕生した「ファイバーリサイクルネットワーク」は、この古繊維を回収し、ゴミの減量化を目指して資源として再利用する活動を展開している市民ボランティアグループだ。再生業者で構成する「綿倶楽部(めんずくらぶ)」とネットワークを組みながら、現在神奈川県内の281拠点で回収を行っていて、回収量は年間400〜500トンになるという。
横須賀地区でも個人のお宅や、生協の店舗、クリーニング屋さんなど10箇所で年4回、回収を行っている。横須賀地区連絡会のまとめ役であり、この活動にかかわって9年になるという堀川君子さん(横須賀市三春町在住)にお話を伺った。「古繊維=古着というイメージがありますが、古着に限らず、たとえばゴムが伸びていても両方そろった靴下や、シーツ、肌着、毛布なども出せるんですよ」。回収され、業者に引き取られた古繊維は、東南アジアなどに輸出されるほか、工場用雑巾(ウエス)や反毛(繊維に戻す)にしてリサイクルされているが、冬物衣料に関してはここのところ需要が落ち込んでいるので、しばらくは家庭保管をお願いしているそうだ。
会では再生活用にも力を入れていて、ストッキングから作ったカラー軍手や、ジーンズの裁ち落としで作ったエコバッグなどといったアイディア品が商品化され、注目を集めている。年2回の「リサイクルきものフェア」も好評だ。「家では″もったいない″が口癖になっています(笑)。でもこれが私たちの活動の原点。なるべく新しいものは買わないようにして、リサイクル品を大い利用しています」とおっしゃる堀川さん。
また会の活動で得た収益金を市民基金として積み立て、海外支援も積極的に行っている。そのひとつ、「タイの農村女性自立支援活動」で、堀川さんは2年前タイを訪れた。これといった産業もない山岳地方の農村で、以前から支援してきた草木染のお店のオープニングセレモニーに出席するためだった。「貧しくても明るくおおらかなタイの人達に出会って、本当の豊かさって何だろうと考えさせられました。私たちももう一度自分たちの生活を見直さなくては」と堀川さん。ファイバーリサイクルの活動は、物を大切にする心や環境への思いやりを、改めて気づかせてくれるようだ。
■ファイバーリサイクル
4月9日(火)午前中/回収ポイント=三春町・堀の内・馬堀海岸・長沢・上町・安浦・北久里浜・岩戸
(回収場所募集中)/冬物はご遠慮ください/問い合わせ=23・9045堀川