【逗子〜葉山】路線バスで訪ねる
雨でも楽しい
名園・美術館・アンティーク

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窓外の緑が鮮やか。山口蓬春記念館に保存されているアトリエ

 梅雨明けが待ち遠しいですが、たとえ雨が降っても「しっとりとしていいところね」と言えるところをいくつかご紹介します。逗子駅起点、葉山海岸回りのバスと徒歩で訪ねてみましょう。

古木が守る六代御前の墓

 森戸方面へのバスに乗り、田越川沿いのバス停「六代御前」で下車する。左奥に見る二本の古木は槻(欅の変種)の樹と聞く。
 「六代御前」とは、かつて隆盛を極めた平家一門最期の嫡男のことを指す。
 若くて美しい少年六代御前は、平家追討の手で処刑寸前のところを、文覚上人のとりなしで一命をとりとめる。だが、頼朝の死により文覚上人は流罪、「頭を剃っても心は剃っていないだろう」と、仏道にあった六代もこの田越川で処刑されたのだ。
 サヤサヤと葉ずれのする六代の墓、遠い歴史の名残りがここにあった。


黒松林を縫う散策路
葉山しおさい公園

 葉山御用邸そばにあるしおさい公園は、昭和62年に御用邸付属邸の跡地に開設された。まずは園内にある博物館に寄ってみる。
 入口の御車寄せ(写真は天井)が付属邸当時の趣きを残している。ここには昭和天皇の御下賜標本や相模湾で見られる海の生物の他、葉山の海岸に流れついたユニークな漂流物(ビーチコーミング)も展示されていて、興味をそそられる。
 博物館を見学したら裏の日本庭園へ。池には錦鯉がゆうゆうと泳ぎ、小さいながら滝もあって水音が心地よい。庭園を眺めながらお茶室で抹茶(300円)も楽しめる。黒松林の小道をのんびりと歩いていく…と、「あ、潮騒…… 」。テラスに立つと相模湾が一望だ。さわやかな潮風に吹かれ、しばし佇む。ここからの夕照のドキュメントも素晴らしい。「ギーギー」とコゲラが愛敬たっぷりに黒松の小枝を飛び回っていた。(76・1140用月曜休館)


明治の文豪にふれる
逗子郷土資料館

 「近江八景」に因み、逗子八景を選びとった昭和初期頃の写真を見た。ひとつ小坪の帰帆、ひとつ田越川の夕照、そして浪子不動の秋月…、どれをとっても手つかずの自然が伝わってくる。
 今、田越川の渚橋近い山の中腹にひっそりとした佇いを見せる純日本家屋「郷土資料館」は、徳川家十六代家達(いえさと)氏が、別荘として愛用したものだ。
 逗子にゆかりのある徳富蘆花と、兄蘇峰や、この地にまつわる文学者の資料等が展示されている。
 あの浪子不動前の海中に建つ文学碑「不如帰」を揮毫したものも見られる。
 廊下から眼下の海を眺めやる時、ふと文学者を魅了した逗子の空気が流れた。
(73・1741月曜休館)


新日本画の権威の自宅
山口蓬春記念館

 三ヶ丘バス停下車。斜面を利用した美しい庭園を見下ろす蓬春記念館は、心安らぐ和風建築で、三ヶ岡の深い緑に溶けあっていた。
 蓬春画伯は、昭和46年77歳で亡くなるまで、ここ一色を愛しその自宅が記念館として保存されている。昭和40年には文化勲章受賞。皇居新宮殿の壁画を完成させるなど、皇室ともゆかりの深い画伯だが、その作品は繊細で気品に満ちていた。
 生前使っていたというアトリエも公開されている。筆や絵の具、長火鉢…と愛用品の数々が当時のままに残されていて、ふと絵筆を走らせる画伯の姿が目に浮かぶ思いが。アトリエの大きな窓から見える庭園の樹木が、初夏の陽光にキラキラ輝いていた。
(75・6094月曜休館)


雨に映えるあじさい公園

アジサイの花が、しっとりと雨に濡れた風情はなんともロマンチック。
 相模湾を望む高台にあるあじさい公園は森戸神社下車。バス停先の「魚佐」の角を左折し、道なりに閑静な住宅地の中を歩いて10分程。こじんまりとした公園には、約3千株のアジサイが可憐に咲きほこる。見頃は7月初めまで。


地元作家の拠点
葉山一色郵便局2Fギャラリー


スペイン風のモダンな外観(75-6000)

 地元作家の発表の場として開放し喜ばれている。


アンティーク通りで
楽しい骨董探し

■ビーチグローブ

 オーナーの堤さん一家が5年間のイギリス在住中に集めた生活骨董が中心。19世紀の美しいステンドグラスや鍵、ナイフやスプーンなど、いかにも女性オーナーらしい小物がいっぱい。(75・4750無休)

■ラ・コスタ・デコ

 オールドチークでできた家具などレストラン経営の方には参考になるようなインテリアが。アンティークの鏡台が目を引いた。(75・9655無休)

■アーク・アンティークショップ

 葉山で一番古い骨董の店、と胸を張るオーナーの五十嵐さん。お店にあるのは全て、鎌倉・逗子・葉山の旧家(大名家や軍人の末裔)から出た現代美術や掛軸、古陶、刀剣などなど。珍しいケネディのメダルやオーディオファンが喜ぶような蓄音機も…。(76・1513水休)

■栄古美術

 メインは時代箪笥や水屋箪笥など。オーナーの奥様の趣味で伊万里の器も多い。(76・3750金休)

■カオリオン

 コーヒーを頂きながら、アンティークや絵画が楽しめる。店頭には和陶器も。(76・3713水休)



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