(写真説明)真ん中がギブンスさん、右が夫人、左がサポート役のアユミさん
アメリカで黒人の教会音楽から生まれ、今、世界中で人気のゴスペル。その自由で感情をストレートに表現するハートフルな音楽は魂の歌として、ブルースをはじめ様々なジャンルの音楽に影響を与えながら、歌い継がれてきた。
基地の街であり、「国際海の手文化都市」を掲げる横須賀でもこの本場のゴスペルを学ぼうと、街づくりのボランティアグループ「よこすか市民会議」(YCC)が有志を募り、2001年「YCCゴスペルクワイアー」を結成した。メンバーは約90名。その指導にあたるのが、アメリカ・サウスカロライナ州出身のトーマス・ギブンスさん(53歳)だ。
父親が牧師という環境に育ち、敬虔なクリスチャンであるギブンスさんにとって、ゴスペルは人生そのものだ。「もともとゴスペルという言葉には『よい知らせ』という意味があり、それは皆さんのために用意された神様からのメッセージ。どんな苦難にあっても、希望や生きる勇気を与えてくれる」と熱く語る。来日して7年。米軍横須賀基地に勤務する傍ら、基地内にあるゴスペルグループのディレクターとして活
躍。あのマライア・キャリーの来日公演ツアーでは、ステージバックアップメンバーとして参加した実力派である。
現在、12月に行われるYCCゴスペルクワイアーのクリスマスコンサートに向け、月2回のレッスンに力を注ぐ。土曜の午後、よこすか芸術劇場リハーサル室での練習風景を見せてもらった。楽譜は使わず、口伝えで教えるのが、ギブンスさん流だ。
「初めは難しいけれど、楽譜がない分、心で感じたものをストレートに表現できるからです」。そのエネルギッシュな指導には、メンバーならずとも思わず引き込まれる。何よりゴスペルのリズムとパワフルな歌声にこめられた愛や希望のメッセージが、宗教を超えて聴く者の心に深く訴えてくるようだ。
「素晴らしいスタッフに支えられ、感謝している。コンサートでは、野球を見に行くように手をたたいたり、足を踏み鳴らしたり一緒に楽しんで欲しい」と。今年のクリスマスは、本物のゴスペルで、感動のひと時を!
(2003年11月号)