朝日アベニュートップ

 

  ♪ウサギ追いしかの山〜♪ 取材で訪れた横須賀市ハイランドの青木彰男さん(64)宅で青木さんがアコーディオンを奏でてくれた。そばで口ずさみながらなぜか涙が落ちてきそうに・・・。また、その傍らにはウクレレも。
  青木さんはいわゆる団塊の世代と呼ばれる人たちが青春期を迎えた昭和40年〜43年頃、県職員として青少年行政に深く携わり、多くの青少年の育成に努めてきた。「当時は集団就職で地方から京浜工業地帯に沢山の若い人たちがやってきましたが、彼らがこの地に定着して有意義な毎日が過ごせるように心を砕きました」と語るように、青木さんはこの仕事に使命感を持っていた。数々のレクリェーションを企画する中で独学で覚えたアコーディオンとウクレレの演奏が今もなお地域の中で多くの人たちに喜ばれている。
  また、青木さんのライフワークの一つに曲作りがある。県内の福祉施設などでオリジナルのテーマソングを作詞作曲しプレゼントしているそうだ。「イメージが湧くとあっという間に出来上がります。自分の作った曲を多くの人に歌ってもらえるのは嬉しいですね」と県職員になる前は音楽事務所のディレクターをしていた経験が役立っているようだ。不登校などで悩んでいる若者に作曲の手ほどきをして、詩を書き曲を作るだけでなく【発表する】ということの素晴らしさを体験させることにも心を注いでいる。
 青木さんはその他にも、独学で英語とドイツ語を習得し、外国人(7カ国)を自宅にホームステイさせたり、税務知識も獲得して障害者地域作業所の運営委員長を担い、グループホームを設立し社会福祉法人化にも尽力したりと、勉強したことをすぐ実現させるという、とても実行力のある方だ。でも、そんな青木さんだが、20年前にあった交通事故の後遺症のため、腰痛に苦しんでいるという。弱いところがあるからこそ他人にもやさしくできるのだろう、青木さんの作詞には愛を感じる。4月29日には、三浦市歌舞島公園で開かれた小村三千三碑前祭でアコーディオンを弾いた。青木さんがウクレレを教えた子供会の人たちや多くの人たちと一緒に、三崎が生んだ音楽家が作曲した「歌の町」を合唱するのが毎年の習わしという。
  また、童謡、唱歌、世界民謡を歌う「桜の会」でのアコーディオン伴奏も引き受けている。「どの会も誰が参加してもかまわないんです。下手でいいんです。でも歌うって楽しいんですよ」と定年を過ぎても、今までの仕事を活かしてこれからも地域社会に貢献していこうという青木さんの日常は忙しい。