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横須賀市長沢。通研通りから一歩中に入ると、なだらかな丘陵地に里山ののどかな風景が広がっている。代々この地で農業を営む長島農園の若き後継者、勝美さん(31歳)のところにドイツ人のフランチェスカさん(28歳)が嫁いで5年になる。
スイスとフランスの国境に近いドイツ南部の都市、フライブルグの出身。もともと日本に興味があり、空手を習ったり日本庭園の技術を学びたいと思っていたフランチェスカさんは、念願叶い、6年前農業研修で初めて日本を訪れた。8ヶ月間の滞在中、やはりドイツで農業研修の経験を持ち、ドイツ語が堪能だった勝美さんと知り合い、「大学進学の夢も捨てて、2回目のデートで結婚を決めました(笑)」。
とはいえ、遠い母国を離れ、文化も習慣も違う日本で、しかも農家のお嫁さんとなったフランチェスカさんにとって、結婚当初は不安がいっぱいで、何度もホームシックにかかったそうだ。一番大変だったのは食生活。「89歳になるおばあちゃんに日本の料理を教えてもらいました。煮物は調味料のバランスが難しいですね」と、今では流暢な日本語を話す。農作業を手伝い、勝美さんの祖母、両親、そして4歳になる息子の頌ヤニック君の6人家族を切り盛りする妻に、夫の勝美さんは「よくやってくれています」と、やさしい言葉をかける。
そんな素敵なご夫妻の畑では今、ズッキーニ、ナス、トウモロコシ、トマトなどの夏野菜がすくすく育っている。地形を生かし自然と環境にやさしい農業を実践。「食卓をイメージし、自分たちが食べたい野菜を作っています」というように、有機質肥料を使い農薬を控えた季節の野菜だけを栽培しているそうだ。珍しい洋野菜やハーブの種類も多く、農園近くのフレンチレストランをはじめ、東京のレストランや横浜のデパートなどの契約農家として、そのこだわりの健康野菜は本当に美味しいと評判を呼んでいる。
またお互いの経験を生かし、毎年、ASEANの農業研修生を受け入れて、地道な社会貢献にも力を注ぐ。今年は5月7日から3週間タイの研修生が長島家にホームステイしながら、日本の農業を学んでいる。これからは地域の子供たちにも土に触れる機会を与えていきたいというお二人。夫を心から信頼しサポートするフランチェスカさんの笑顔が、とても幸せそうに輝いていた。
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