朝日アベニュートップ

 

 秋谷に住む神山さんのアトリエに一歩入ると、ユニークな造形作品が目に飛び込んできて、小学生のころの工作の時間がよみがえり、一気に童心に返ってしまった。手作りのアトリエの窓枠は木製、それを彩るパステルカラーの青もいっそう遊び心を誘う。壁面にはブーメラン、木の鉄砲、ゴムパチンコ、ウェルカムボード、貝型のうちわ、クリスマスツリー…。
 「作ることや考えることが好きなんですね。また、私の発想を子供たちがどんなふうに展開していくのかも、とても興味があります。私のやりたいことを子供たちにやらせてあげたいですね」。学校の図画工作の授業はどうしても規制があるので、絵が好きなのに絵の具を使うのが苦手な子が多くなってきているし、集中力もなくなってきているのが目立つそうだ。
 神山さんのアトリエでは小学生は学年を問わず全部同じ時間なので、自然と上下関係も学ぶし、一緒に作り上げる楽しさを体験できる貴重な場になっているようだ。
 クリスマスが近い今は紙粘土でキャンドルや玉子ろうそく(生卵に穴をあけ中身を取り出し、殻をろうの中に入れ、固まったら自由にデザインする)をつくり、中身の卵を卵焼きにしてみんなで食べたり、12月には和凧を作り、正月になったら海で凧揚げ大会をするそうだ。お父さん達も子供と夢中になって凧を揚げ、父子のよい思い出につながっているようだ。また、春にはよもぎを摘んで草団子を作り、串に刺して食べたり、桑の実を取ってきてジャムを作り、ガラス瓶に入れ、そのラベルのデザインを考案する。夏は海岸に落ちている貝殻やビンのかけらを拾ってきて、シーグラスや家の表札を作ったりと、大人が聞いていてもワクワクしてくるほど面白そうだ。
 「この秋谷だからできることがたくさんあり嬉しいですね。ここに来る子供たちは作った物で遊ぶのが大好きなので、ゲーム機などにない魅力を感じているようです。考えながら物を作り、友達同士で協力しあって遊ぶ。そんな体験が大人になって何かの役に立ってくれればいいですね」。
 また、ここのアトリエで繰り広げられる子供たちとのふれあいが、神山さんが得意とする油絵や銅版画の創作ヒントになっているようだ。