【コラム】

◆B型主婦症候群
(鳥井あんず)  
・歩く人 

 私はこの頃″歩く人″だ。シェイプアップが目的。歩くってラクだもん。歩いてればいいから。この歳になると高脂血症だとか糖尿、骨粗鬆症の予防も切実味帯びてくるしネ。歩きのすぐれているところは同時にふたつができること。本を読んだりラジオを聴いたり。「あぁ時間がもったいない」の時間貧乏の私にはこの上ない幸せである。ラジオにプッと笑って下向いて歩く。知識も得る。以前、えのきどいちろうが「マエストロ」と「ジーニアス」の天才型のちがいを話していた。私は歩きながら「そうなんだ」と脳ミソにインプットした。
 あれって制服なの?ハイキングマダムのつばのある帽子と長袖シャツとウエストポーチ。私はあのいきごみ、歩くという自己申告がはずかしい。日常の延長線上でなにげなくやりたい。風景に溶けこみながら歩きたい。あと新聞で推進してるスリーデーマーチ(ネタを許して、朝日)。なんで大勢で歩きたいかなあ。私、仲間はいらん。でも同じ視線を持つ友人とだと楽しいかな。路地入ったり、人んちの庭みたり、なんかをバカにしたりして。
 ま、しかし歩いてもやせはしないね。現状維持。でもさ、脂肪が燃えてると思えばね。シェイプに他力本願はなし、と。
 途中で写真をとっている。定点観測だ。映画『スモーク』のハーベイ・カイテルの真似をして。ひとつの物事を始めるとタコ足配線みたいにひろがる世界、広く浅く短く、が楽しい。もうひとつ、想像オタクの私は歩きながらあんなことやあんなこと、いつも考えてる。足は地面 を踏んで、頭の中は妄想や思い出やスト ーリーがはばたいている。  

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