【スポーツ】
ルート134
(隼 志朗)

◆「新世紀、スポーツの幕開け」

 21世紀の日本のスポーツは今年もサッカーの天皇杯決勝と箱根駅伝で始まった。
天皇杯決勝はこれまで何度か国立競技場まで足を運んだが、今年は初めて箱根駅伝をテレビではなく、実際に見に行ってきた。
 駅伝は日本特有の競技で人気もあるが、何といっても箱根駅伝が名実共に駅伝のチャンピオンである。長い歴史と伝統(今年は第 77 回大会)があり、今ではすっかり正月の風物詩になっている。
 1月2日、応援に選んだ場所は小田原中継所。小田原駅から箱根登山鉄道に乗り2つ目の駅「風祭」で下車。車内は超満員。偶然にも僕の母校のベンチコートを着た数人の年配 OB も見かけた。駅伝の雰囲気が徐々に高まる。選手が到着する予想タ
イムの2時間前に着いたが、既にたくさんの人だかり。それぞれ母校の幟が立つ中、小旗を手にし沿道を埋め、選手が来るのを気長に待っている。そんな風景を見ながら振舞い酒を頂き、あっという間に時間が過ぎていく。
 ここ小田原中継所は東京から4人でリレーしてきたタスキを往路の最終ランナーに渡す場所である。標高100mの中継所から国道1号線最高点の標高875mまで一気に駆け上がる通 称「山登り」。箱根湯本駅を過ぎた3キロ地点付近から曲がりくねった急な上りが約 13 キロ続く最も厳しい区間が始まるのだ。先導車に続き先頭ランナーが見えてきた。選手の息づかいと沿道の応援の熱気が直に伝わってくる。
母校を応援するつもりでやって来た訳だが、選手が走っている姿を直接目にすると、どの選手も応援したくなってしまう。僕もマラソンのレースに出ているが、沿道の人の応援にはいつも励まされる。
 箱根駅伝にはまたドラマがつきものだ。今年は繰り上げスタートする大学こそなかったが、2区で途中棄権してしまう大学があった。選手がゴールする瞬間は箱根湯本の食堂で昼食をとりながらラジオで聞いた。最後まで耳(?)が離せない展開だったが、結局往路は山登りのスペシャリストを擁する中央大学が逆転優勝。翌日の復路もトップが入れ替わる激しいレースだったが、下馬評どおり順天堂大学が総合優勝し大学駅伝3冠に輝いた。
 箱根から家に戻りさっそくジョギング、これが僕自身の新世紀・スポーツの幕開けであった。今年もガンバって走ろう、自己ベストを出すぞ、と張り切っていた僕の横で「やれやれ今年もまた始まった、影響されやすいんだから、無理しないでよ」と言いたげな連れ合いの視線を感じた。
            (サッカーコーチ)

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