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(1995年3月10日 朝日新聞/神奈川版) 作家の司馬遼太郎さんの歴史紀行「街道をゆく」の新シリーズは、『三浦半島記─鎌倉、横須賀など』。14日発売の「週刊朝日」3月24日号から連載が始まる。『台湾紀行』『北のまほろば』に次ぐ連載で、司馬さんはいう。「日本中に『三浦さん』がたくさんいるけど、きっと、ご先祖は三浦半島に住んでいたんでしょうね。遠い昔、三浦半島から猛々(たけだけ)しい鎌倉武士が現れ、政権をつくり、『三浦さん』が全国に広がった。こんなちっぽけな半島になぜそれだけの力があったんでしょうか」 取材は正月早々、ハードに進められた。三浦一族の山城があった衣笠山、房総半島、伊豆半島をにらむ大楠山と次々に登った。横須賀港では記念艦三笠に乗船、ドブ板通 りを散歩。鎌倉では切通しをめぐった。装画の安野光雅さんと一緒に三浦ダイコンを食べ、江ノ電に乗りもした。 「初代の鎌倉市長にあいさつしましょうか」 鎌倉幕府を開いた源頼朝のことで、鎌倉市の白旗神社そばのお墓に行った。すぐ近くの鶴岡八幡宮のにぎわいに比べると、寂しい雰囲気。司馬さんはいっていた。 「頼朝は孤独な政治家だったと思うな」 今回の『三浦半島記』では、頼朝が政権を握る前夜の動乱から話が始まる。魅力的な宰相論の始まりでもある。 |